1956年東京生まれ。子どもの頃、庭のヒマラヤ杉に登るのが好きだった。15歳の頃にロック・ミュージックとフェミニズムを発見。高校2年からフランス語を習い始める。
高校卒業後、1974年の夏に渡仏。モンペリエ第3大学でフランス語・文学講座を終えた後、1975年秋からパリ在住。パリ第5大学の社会学部で文化人類学(修士号)、パリ第3大学東洋語学校(INALCO)でタイ語・東南アジア文明(学士号)を学ぶ。
映像プロダクション(日本向けのCMや写真撮影)に勤めた後、1987年から本格的に執筆活動を始める。1981年の夏、タイのバンコクで出会った作家、故戸田杏子さんと文通するうちに、「パリのこと書いてみたら」と言われたのがきっかけ。『ふだん着のパリ案内』(晶文社1991年)が最初の書き下ろしとなった。
情報誌からは見えてこないフランスの社会や文化のさまざまな側面を、歴史的な奥ゆきがわかるように描こうとしている。近作『時間という贈りもの フランスの子育て』(新潮社2014年)では、息子が成人するまでの個人的な体験も含め、教育や「伝えること」について綴った。
1987年、ピアニストの姉が演奏するプーランクやミヨーなどの作曲家「フランス六人組」についての本がフランスで出版された。「読めないから訳してよ」と頼まれて、翻訳の道に入る(『フランス六人組』晶文社1989年)。『エレーヌ・ベールの日記』(ナチスの収容所で亡くなったユダヤ系フランス女性の日記、岩波書店2009年)と『ユダヤ人大虐殺の証人ヤン・カルスキ』(ヤニック・エネル著、河出書房新社2011年)はとりわけ、ぜひとも訳したかった作品。
日本の雑誌、新聞などに記事やエッセイを寄稿。サイト「先見日記」への寄稿は、フランスやヨーロッパの時事について自由に語れて楽しかった。フランスのメディアにもたまに仏語で寄稿している。多分野の翻訳、通訳、コーディネイト、リサーチにも携わる。
より多くの人が人間らしく生きられる社会が望ましいという思いから、脱原発や人権擁護など市民活動にも参加している。