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作品紹介 / 翻訳書


Eveline Hurard-Viltard ed.Méridiens Klincksieck 1987

フランス六人組ー20年代のパリ音楽家群像 エヴリン・ユラール=ヴィルタール著 晶文社1989年5月



Le groupe des Six ou le matin d'un jour de fête



Eveline Hurard-Viltard ed.Méridiens Klincksieck 1987


サティを精神的な父、ジャン・コクトーをスポークスマンとして第一次大戦中から1920年代前半のパリに集った作曲家のグループ「六人組」(ダリウス・ミヨー、アルチュール・オネゲール、ルイ・デュレ、ジェルメンヌ・タイユフェール、ジョルジュ・オーリック、フランシス・プーランク)。アポリネール、ピカソ、ディアギレフ率いるロシア・バレエなど、当時の前衛アーティストたちと交わり、共同で創作した六人組の作品とその美学を批評する。



五百年後のコロンブス エドウィー・プレネル著 晶文社1992年7月



Voyage avec Colomb



Edwy Plenel ed. Le Monde-Editions 1991


新大陸「発見」500周年を前にした1991年、フランスの代表的日刊紙ル・モンドの記者プレネルは、ヨーロッパからアフリカの海岸へ、カリブの島々から中央アメリカへと、コロンブスの軌跡をたどった。史実と時代背景を現代世界に投影させ、近代ヨーロッパの歴史が内包するさまざまな問題点と矛盾を追及する、鋭い批判精神と知性に裏打ちされたルポルタージュ。著者はそれでも、他者(相違)との出会いによって存在は高揚すると結ぶ。ル・モンド紙編集長を経て、2008年に独立インターネット新聞「メディアパルト」を発行したプレネルは現在、フランスの良質な独立ジャーナリズムを体現している。



泣きたい気分 アンナ・ガヴァルダ著 新潮社2001年7月



Je voudrais que quelqu'un m'attende quelque part



Anna Gavalda ed. Le Dilettante 1999


フランスで発売されて以来、口コミで短編集では異例のベストセラーになったアンナ・ガヴァルダの処女作。パリの街角、郊外、田舎町…日常を背景に、さまざまな人生の断片が軽妙なタッチで素描される。恋心、後悔、孤独など、ふつうの人々の「奇妙な日常」を切りとった、臨場感あふれる12のショート・ストーリー。
文庫版 新潮社2005年3月



ピエールとクロエ アンナ・ガヴァルダ著 新潮社 2003年7月 



Je l'aimais



Anna Gavalda ed. Le Dilettante 2002


空前のヒットを記録した短編集『泣きたい気分』につづく、アンナ・ガヴァルダの長編小説第一作。夫に去られたクロエと幼い孫娘ふたりを、舅のピエールは田舎のセカンドハウスに連れていった。クロエを励まそうとピエールが打ち明けた過去の、意外な恋愛物語。



王妃に別れをつげて シャンタル・トマ著 白水社 2004年4月



Les Adieux à la Reine



Chantal Thomas ed. du Seuil 2002


フランス18世紀文学の研究者、シャンタル・トマの処女小説、2002年のフェミナ賞受賞作。フランス革命が勃発した1789年7月14 日〜16日のヴェルサイユ宮殿の様子を、王妃マリー=アントワネットの読書係だった女性が、亡命先のウィーンで追想するという設定の歴史小説。2012年、ブノワ・ジャコ監督によって映画化された(日本語タイトル『マリー・アントワネットに別れをつげて』)。
文庫版 白水社Uブックス 2012年11月



大西洋の海草のように ファトゥ・ディオム著 河出書房新社 2005年



Le ventre de l'Atlantique



Yannick Haenel ed. Gallimard 2009


セネガル出身の女性作家、ファトゥ・ディオムの自叙伝的処女小説。フランス人との離婚後、ストラスブールに住みつづける姉と、故郷セネガルの小島に住むサッカー狂いの弟。2002年のワールドカップを背景に、フランスとアフリカの旧植民地の複雑な関係やフランスの移民、アフリカの村社会の現実が描かれる。複数の文化と言語をアイデンティティとするディオムの、エネルギッシュな力作。



エレーヌ・ベールの日記 エレーヌ・ベール著 岩波書店 2009年10月



Journal



Hélène Berr ed. Tallandier 2008


1942年〜44年、ナチス・ドイツ軍占領下のパリで、若いユダヤ系フランス人エレーヌが綴った日記。エレーヌと両親は1944年3月に逮捕され、アウシュヴィッツ収容所に送られて死亡した。エレーヌの姪の努力によって、2008年にフランスで出版されたこの日記は、世界的に大きな反響をよんだ。ユダヤ人迫害が身のまわりで進む中、ジャンと恋におちたエレーヌは、ジャンがフランス解放軍に参加するためにパリを発った後は、彼に宛てて日記を書く。迫害の当事者の視点から記した史料としての稀な価値に加え、キーツやシェリーの詩を愛したエレーヌの文学的才能が表された作品。豊かな感受性と冷静で明晰な思考をもちあわせたエレーヌの記述は、人類愛にみちた高い精神性にいたる。「他の人たちはなぜわかってくれないのか?なぜ理解しようとしないのか?」というエレーヌの問いかけは、他者への真の共感(連帯感)についての普遍的な問いかけである。2014年ノーベル文学賞を受けたパトリック・モディアノの序文。2013年、ジェローム・プリユール監督が日記にもとづき、ドキュメンタリー映画『占領下パリの若い女性、エレーヌ・ベール』を作成。



ユダヤ人大虐殺の証人ヤン・カルスキ ヤニック・エネル著 河出書房新社 2011年3月



Jan Karski



Yannick Haenel ed. Gallimard 2009


第二次大戦中、ワルシャワ・ゲットーのユダヤ人のメッセージとナチス・ドイツが進めたユダヤ人絶滅政策の事実を連合国に伝えたポーランド人のレジスタンス運動家、ヤン・カルスキを描いた作品。第一部はクロード・ランズマン監督のドキュメンタリー映画『ショアー』に登場したヤン・カルスキの描写、第二部はカルスキの手記の要約というノンフィクションの手法をとった著者エネルは、第三部で初めてカルスキの内面に入り込み、モノローグを展開する。ユダヤ人絶滅政策を知りながら、聞く耳をもたなかった連合国…戦後、アメリカ合衆国にとどまることを選んだカルスキの長い沈黙を描き、ユダヤ人の言葉を繰り返すことによって、エネルはカルスキが運んだ「言葉」を21世紀によみがえらせる。すべての圧政に反逆したカルスキという少数派・反主流派の視点をとおして、エネルはユダヤ人を見殺しにした西欧自由世界、ポーランドのエリート階層を虐殺し(カティンの虐殺)、レジスタンスを見殺しにしたソ連、広島・長崎への原爆投下などの歴史を浮き上がらせる。アンテラリエ賞とフナック賞受賞作品。前作『環』Cercleで「十二月賞」と「ロジェ・ニミエ賞」を受賞したエネルの独創的な力作。


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